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  ニュース     2020/05/25 18:59

香港:台湾への移民20年は1万人突破も、「国家安全法」で加速へ 無料記事

 中国による社会統制を強化する“香港版国家安全法”への反発が強まる香港で、台湾への移民が加速する見通しだ。2019年は「逃亡犯条例」改正案をきっかけとした社会混乱を受け、年間で5858人の香港人が台湾に移民したが、今年は4月までの段階ですでに2383人が移民手続きを終えた。1カ月当たり600人近くに達する計算で、過去最高のペースという。台湾移民署の関係者は、香港版国家安全法の導入が決まれば、より多くの香港人が移民を選ぶ見通しで、今年は年間で1万人を超える可能性もあると予測している。香港メディアが25日伝えた。

 香港から台湾への移民は、抗議活動が激化した19年夏場から増加。台湾移民署によると、デモが最も過熱した同年10月には月間で1243人が移民申請を行い、月次最多記録を更新した。香港からの移民数は19年通年で5858人、月平均488人に達している。

 今年に入っても、移民を希望する人は減っていない。特に、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での香港版国家安全法の審議入りが明らかになって以降、移民手続き業者への相談件数は10倍以上に増加しているという。

 香港から台湾への移民は、欧米諸国に比べてハードルが低い。規定によれば、香港・マカオ住民は台湾で600万台湾ドル(約2100万円)以上投資すれば、すぐに台湾居留を申請できる。

 中国は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する前日の21日、香港での国家分裂や中央政府転覆などの行為を禁じる法案が全人代で議題に上がることを明らかにした。一部報道によれば、同法案は全人代最終日の28日に採決され、その後、全人代常務委員会で詳細が決まる見込み。「香港基本法」の付属文書に組み込まれる予定のため、香港立法会(議会に相当)の審議を経る必要がないといい、9月までに実施が発表される見通しという。


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