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  ニュース     2020/08/28 18:59

米ウォルマート、TikTok買収に向けてマイクロソフトと連携 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 米小売大手のウォルマートは27日、中国のショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を巡り、IT大手のマイクロソフトと共同で今後の対応を検討していることを認める声明を発表した。買収に名乗りを上げた格好。同プレスリリースでは、「TikTokによるEコマースと広告との統合は、それら業界のクリエイター・ユーザーにとって明らかにメリットがある」と言及するなど、自社事業との連携に期待感を示している。そのうえで、「ウォルマートとマイクロソフトの提携関係は、米当局の懸念を打ち消し、米TikTokユーザーの期待を満たすと確信している」と述べた。
 この発表について、ブローカーはポジティブに受け止めている。ウェドブッシュ証券は最新リポートで、「ウォルマートのEコマース事業にとって、TikTokは大きなカンフル剤になる」と高く評価。「800ポンドのゴリラのような競合のアマゾンを前にウォルマートは明らかに不利な立場だったが、マイクロソフトをパートナーとしてTikTokを収益化する今回の絶好のチャンスを利用することができる」と説明した上で、「世界市場での存在感を考えると、TikTokは今後数年でInstagramに匹敵する可能性がある」と期待した。ウォルマートとマイクロソフトによる入札が成功する可能性については、85〜90%と高く見積もっている。
 CNBCが27日に消息筋として伝えたところによると、TikTok親会社の北京字節跳動科技(バイトダンス)はすでに、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの「TikTok」事業を200億〜300億米ドルで売却する契約をまとめつつあるもよう。買い手はまだ最終決定されていないものの、近日中に発表される可能性があるという。買い手候補には、ウォルマート・マイクロソフト連合のほか、米オラクルなど他のIT企業も含まれる。
 ウォルマートは18年7月、デジタル化の加速に向けてマイクロソフトと戦略提携した。小売業でアマゾンに対抗したいウォルマートと、パブリッククラウド分野でアマゾンのAWSに遅れをとっているマイクロソフトの意向が合致した格好。まず5年間の契約を結び、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」「Microsoft 365」を全面的に導入している。


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