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  ニュース     2020/03/26 18:59

中国:19年「一帯一路」向け医薬品輸出21%増、輸入も26%拡大 無料記事

 巨大経済圏構想「一帯一路」市場への中国医薬品輸出が急ピッチに伸びている。中国医薬保健品輸出入商会の最新統計によると、中国医薬品企業による一帯一路沿線国・地域向け輸出額は、2019年に前年比21.63%増の223億600万米ドル(約2兆5940億円)に拡大。中国医薬品輸出の同年伸び率(7.0%)を14.63ポイントも上回っている。21世紀経済報道がこのほど伝えた。
 輸出先別では、インド、ベトナム、インドネシア、タイ、ロシアの順に多く、これらで一帯一路向け中国医薬品輸出額の54.18%を占めた。
 製品別の輸出額は、西洋薬が66.89%に相当する149億5700万米ドル。内訳は原料薬が128億7600万米ドル、製剤が10億500万米ドル、バイオ医薬品が10億7000万米ドルなどとなっている。医療機器は63億2000万米ドルで、うち診断治療設備は50.3%の31億7800万米ドル。中医薬(中国伝統医薬)は10億8300万米ドルとなっている。
 米調査会社クラリベイト・アナリティクスの専門家は、「一帯一路沿線の多くの新興国家は、経済と人口が急ピッチに拡大しているだけに医療需要が日増しに高まっている一方で、自国医薬工業の基礎は脆弱だ」と指摘。「これら新興マーケットの高速成長は、海外製薬企業、特にサプライチェーンが整っている中国企業に巨大なビジネスチャンスを創造している」と補足説明した。
 また、中国の一帯一路沿線エリアからの医薬品・医療機器輸入も増えている。中国税関統計によると、19年の輸入実績は前年比26.09%増の65億1400万米ドルに拡大した。うちシンガポール、インド、マレーシア、イスラエル、タイの上位5カ国で72.66%を占めている。医薬品や医療機器の販売承認プロセス簡素化が輸入需要を喚起していると分析した。
 中国医薬品市場の伸びしろは大きいだろう。米医療情報会社のIQVIAによると、18年に1370億米ドル規模だった中国の医薬品市場は23年に1700億米ドルまで膨張する見通し。同5年間は世界平均を上回るハイピッチ成長が予測されている。


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