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  ニュース     2020/07/29 18:59

中国GDP成長率、21年は7.9%まで回復へ=世銀 無料記事

 世界銀行は最新リポートで、中国の国内総生産(GDP)成長率が2020年に前年比1.6%まで鈍化し、1976年以来の最低水準を記録するとの見通しを示した。新型コロナウイルスの流行による経済活動への影響が顕在化するとみている。ただ、21年の成長率は同7.9%まで回復すると予想。19年成長率の6.1%を上回ると予測した。外電が29日伝えた。
 世銀は中国経済の下振れ要因として、新型コロナの感染再拡大による経済への影響を指摘した。外部要因では、世界的な景気後退、一部主要貿易国との関係緊張を挙げている。半面、景気回復ペース加速への期待感、経済的な緊張の鎮静化などが上振れ要因になると分析した。
 一方、経済活動が回復する中にあっても、中国の「脱貧困」ペースは鈍化するとの見方だ。家計収入の伸び鈍化が影響すると指摘している。追加の政策が実施されない限り、20年の脱貧困人口はコロナ前に比べて800万人少ない2000万人にとどまると試算した。
 中国のGDP成長率は20年1〜3月にマイナス6.8%となり、四半期ごとのデータが公表されている1992年以降で初めてマイナスとなった。ただ、4〜6月は3.2%とプラス成長を回復している(上半期の累計ではマイナス1.6%)。
 中国の李克強首相は5月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、20年のGDP成長率目標を設定しない方針を表明。新型コロナウイルスの世界的な感染状況、経済・貿易情勢の不確実性が大きく、予測困難な要素が多いためと説明した。GDP成長率の数値目標が示されなかったのは、1990年の設定開始以降で初めて。19年は成長率目標を「6〜6.5%」に設定しており、実績は6.1%だった。


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