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  ニュース     2020/04/17 19:02

中国経済「最悪期脱した」見方も、MSは4〜6月成長率1.5%を予想 無料記事

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年1〜3月期に初のマイナス成長となった中国経済だが、市場関係者の間で「すでに最悪期は脱した」との見方が広がりつつある。モルガン・スタンレー(MS)は最新リポートで、4〜6月期の国内総生産(GDP)成長率が1.5%となり、プラス成長を回復すると予想。製造業、サービス業で操業・営業再開が順調に進んでいることを理由に挙げた。MS以外にも、政府による景気刺激策の効果で中国経済が4〜6月期には好転するとの見解が目立つ。
 ただ一部では、4〜6月期もマイナス成長が続くとの見方がある。野村は最新リポートで、同期GDP成長率をマイナス0.5%と予測した。固定資産投資、小売売上高は4月に改善が進むとみられるものの、外需の低迷を受けて鉱工業生産は厳しい情勢が続くと分析。また、現時点で中国は新型コロナウイルスの封じ込めにひとまず成功しているが、今後も外需の縮小、感染の第2波がリスク要因になると指摘している。
 国家統計局が17日発表した20年1〜3月期のGDP成長率は、物価変動を除いた実質でマイナス6.8%となった。前四半期のプラス6.0%から大幅に落ちこみ、四半期ベースとしては記録がある1992年以降で初めてのマイナス成長に転落している。
 ただ、中国政府は今後の見通しに前向きな姿勢を崩していない。統計局の毛盛勇報道官はこの日の記者会見で、3月単月の主要経済指標は明らかに改善していると指摘。中国経済の20〜21年平均成長率は5%以上に達するとの見通しを示した。
 一方、例年なら3月に開かれる全国人民代表大会(全人代、国会に相当)でその年の経済成長目標が示されるが、今年は新型コロナウイルス流行の影響で全人代の開催が遅れている。「今年も具体的な成長率目標が示されるのか」との記者からの質問に対し、毛報道官は「現時点で具体的な状況は把握していない」と回答するにとどめた。


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