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  ニュース     2019/10/23 18:59

中国:豚肉高騰続けばCPI「4%突破」も、上昇圧力なお残る=CICC 無料記事

 中国国際金融(CICC)は22日付の最新リポートで、豚肉価格の高騰が続けば、中国の消費者物価指数(CPI)上昇率が2019年末か2020年初にも4%台に乗せる可能性があるとの見通しを示した。豚肉価格の上昇圧力が依然として強いことに加え、比較対象となる前年11〜12月の実績が低い影響も出る見込みという。現地メディアが23日伝えた。
 CICCによると、国慶節連休(10月1〜7日)期間に豚肉価格はいったん落ち着きを見せたものの、連休明けに再び上昇している。商務部が発表する豚肉価格は、連休明け第1週に前年同期比で約90%上昇。上昇率は9月の平均値(65%)に比べて一段と加速した。
 さらにCICCによれば、先行指標となる養豚数を見ても、向こう2〜3四半期にわたり豚肉価格の上昇圧力が残る状況だ。豚の飼養頭数、繁殖母豚の飼養頭数は9月にそろって4割近い落ち込みを示し、減少ペースを加速させた(それ以前の数カ月は15〜20%減という水準)。飼養頭数の落ち込みが加速しているという事実を考慮すれば、「現在の豚肉価格水準が今サイクルの天井である」との判断を下すのは時期尚早とCICCは指摘している。
 こうした状況下、CICCは10月のCPI上昇率が3.5%前後まで加速する可能性があるとの見方だ。豚肉価格の上昇がさらに続けば、インフレ圧力は一段と強まる見込みという。
 ただ、養豚業者の収益が拡大していることもあり、今後は豚の補充も進んでいくと予想。向こう数カ月内に、飼養頭数の減少ペースは鈍化していくと分析している。この結果、CPI上昇率も4〜5四半期内には鈍化すると予測した。
 国家統計局の最新データによると、9月のCPI上昇率は前年同月比で3.0%という水準。うち豚肉価格は69.3%上昇した。中国政府は19年のCPI抑制目標を「3.0%前後」に設定している。


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