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  ニュース     2020/05/15 18:59

中国車メーカーが自国部品調達を積極化、海外コロナ流行で 無料記事

 新型コロナウイルスの感染拡大で海外自動車部品メーカーが大規模な休業・生産停止を余儀なくされるなか、中国メーカーが自国企業をサプライヤー体系に取り込もうとする動きが広がってきた。足もとで輸入に依存している重要部品の国産化が一気に加速する可能性がある。盖世汽車が14日付で伝えた。
 中国では一定規模を備えた自動車部品メーカーが1300社超、中小部品メーカーが10万社超を数えるが、大量の関連部品や材料を輸入している。税関総署によれば、中国の自動車部品輸入額は、2019年に367億1100万米ドル(約3兆9440億円)まで拡大した。輸出先別ではドイツが102億8000万米ドル、日本が98億5500万米ドル、韓国が23億4400万米ドル、米国が21億6600万米ドルと、主要4カ国合算で246億4500万米ドル。全体の67.1%を占めた。仮にこの4カ国からの部品供給が長期にわたって滞れば、中国の多数企業は海外サプライチェーンが寸断されかねない。
 中国の自動車メーカー、1〜3級部品サプライヤー、原材料メーカーの関係者1800人を対象に盖世汽車がこのほど実施した緊急調査では、海外のコロナ感染蔓延について、15%が「大きなインパクトを受けている。供給網がほぼ寸断された」と回答。64%が「影響はあるが、コントール範囲内」と答え、「影響は小さい」は18%にとどまった。
 また、時間の推移とともに状況は厳しいものへと変化していくとの見方が多い。第2四半期の情勢について、12%が「海外部品の調達難で生産停止に追い込まれる恐れは非常に大きい」、29%が「(生産停止の)可能性が比較的大きい」と回答した。
 回答企業のうち部品メーカーは、エンジン、トランスミッション、シャシー、車電装部品、車エクステリア・インテリアなど領域に及んでいる。今回の調査では、重要部品の輸入比率が50%を超えた企業は20%にとどまったものの、回答企業の71%が「海外部品の供給ストップ問題に直面し、国産部品の使用比率を高めることを検討中」と回答した。
 こうしたなか、国内企業は海外部品の備蓄を積み上げる一方で、国内代替サプライヤーの物色に積極的だ。合弁企業の東風日産は、欧米20社のサプライヤー休業に伴って、輸入部品50〜60種(国内契約サプライヤーの輸入分を含む)の供給リスクが発生。足元で国産品への代替を模索している。
 バス大手の鄭州宇通客車(600066/SH)もこのメディア取材に応じ、「海外のコロナ蔓延がもたらし得るグローバルサプライチェーンの寸断リスクを回避すべく、代替調達を前向きに検討している」と明かした。
 


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