がんや糖尿病に効く――と称した奇跡のミネラルウォーターを高額販売している福州市企業に注目が集まっている。関係者が「消費者を騙している」と告発したのがきっかけだ。この企業は販売セミナーで日本の医師による書籍に関する話をしている。澎拜新聞がこのほど伝えた。

　問題が指摘された企業は、深セン市を拠点とする福建省・福州支社。「微量の元素を含む、量子技術で磁化した、アルプス天然氷河の水」と称する水飲料90ミリリットルを1本900人民元（約1万3900円）で販売していた。セミナーではこれらの説明の裏付けとして、日本のある医師が執筆した書籍を紹介。水を飲むことで、どのようにして体内の微量元素を増やし、がん、糖尿病、高血圧、皮膚病などを予防するかが解説されているという。

　しかしこれについて、元セミナー関係者が「常識外れの話で消費者を騙している」と通報。その効能については、過去に中国科学院の専門家も「量子力学と飲食物は何の関係もない」と結論づけている。企業側は「名誉毀損だ」と反論したが、最終的には政府関係部門から行政処罰を受けた。

　ところが熱心な消費者は減ることがなく、企業側はその後も「飲料は医薬品や健康食品ではなく、ただの食品。『量子』はただの商品名」と説明し、販売を継続。通報した関係者も中傷し、「株の配当がもらえず、悪意ある報復をしているだけ」と語っている。


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