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  ニュース     2019/11/12 18:59

アリババ香港IPOヒアリングか、早ければ15日に募集開始 無料記事

 中国のEコマース最大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)がきょう12日にも香港上場に向けたヒアリングを受ける見通しだ。審査を通過すれば、早くて15日から募集を開始し、来週20日に値決めする運び。調達規模は100億〜150億米ドル(約1兆920億〜1兆6380億円)に上る見込みという。外電が12日、消息筋情報として伝えた。
 ただ、上場に向けたスケジュールは依然として流動的な状況のようだ。また報道によれば、同社は上場スポンサー陣の増強に動いているという。クレディ・スイス、中国国際金融(CICC)に加えて、シティグループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーの3社を上場スポンサーに加えたとされる。
 アリババの香港上場は、米ウーバー・テクノロジー(UBER/NYSE)を抜いて今年最大のIPOとなる見込みだ。これにより、香港市場のIPO調達額も世界トップに浮上する可能性が高い。10月中旬時点で、香港交易所(香港証券取引所:388/HK)のIPO調達額はニューヨーク、ナスダックに次ぐ3位となっている。
 アリババの上場は、香港証取にとっては念願の大型IPO。香港証取では過去、特殊な統治構造を持つ企業の上場が認められていなかったため、創業メンバーなどが支配権を持つ「パートナー制度」を採用するアリババは、プライマリー上場に際してニューヨーク証券取引所(2014年)を選択したという経緯がある。こうした中、香港証取は18年4月に上場規程を改定し、「種類株」を発行するなど加重投票権(Weighted Voting Rights:WVR)構造を採用している新興イノベーション企業の上場を解禁。アリババ上場に道を開いた。
 1999年に馬雲(ジャック・マー)氏が設立したアリババは、03年に開設した消費者向けサイト「淘宝網(タオバオ)」が大成功を収め、その後の業績が記録的に急成長。ほかに、「天猫(Tモール)」などの通販サイトも手がける。また、動画配信や出前アプリ、シェアサイクルなどネット・IT関連のさまざまな分野に投資する。最近では、Eコマースと実店舗を結びつける「新小売」戦略の下、蘇寧易購集団(002024/SZ)など複数企業に相次いで出資した。


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