タイ商務省貿易振興局（DITP）はこのほど、2019年1〜11月にかけた香港のタイ産豚肉（生鮮・冷蔵）輸入額が前年同期比1945％増の878万米ドル（約9億5700万円）に達したと報告した。香港で家畜伝染病「アフリカ豚コレラ（ASF）」が発生したことで供給不足になったうえ、中国など主要輸入元でもASFが流行したことで、タイなどからの輸入が拡大したという。

　ワールド・トレード・アトラスの統計によれば、タイからの輸入額は8月に前年同月比241％増、10月に418％増と急伸した。同局は、香港での豚肉需要が20年の春節（旧正月）に大きく拡大するとみており、品質を重視したタイ産の豚肉が人気を集めると期待。輸出を拡大する契機とみて、衛生面など他国の製品と異なる点をアピールするようタイの事業者に推奨している。

　香港では過去に1日当たり約4000頭の生きた豚を中国から輸入していたが、19年12月9日時点では1324頭まで激減。これにより供給不足に陥っている。また価格も上昇しており、同年1月時点で1キログラム当たり75.7香港ドル（約1060円）だったが、12月には2倍の159.0香港ドルに跳ね上がった。


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