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  ニュース     2020/01/31 18:59

中国新型ウイルス感染、EVメーカー影響深刻 無料記事

新型コロナウイルス感染拡大が中国自動車業界の先行きに影を落としている。感染の影響について、欧米の自動車アナリストらは米テスラ(TSLA/NASDAQ)、上海蔚来汽車(NIO/NYSE)など電気自動車(EV)メーカーの間でより深刻化するとの見方だ。米資産運用会社アライアンス・バーンスタインのアナリストは、新型コロナウイルス感染の報告例が比較的多い中国大都市で、2019年に販売された乗用車と小型トラックは概算800万台に達したと試算。中国新車販売全体の36.8%を占めたとの概算を示している。汽車公社が1月30日付で伝えた。
 アライアンス・バーンスタインはリポートで、中国販売に占めるこれら感染都市の19年販売比率に関し、テスラで82.5%、蔚来で68.0%に達したと指摘。EV販売市場低迷の逆風をより直接的に受けると解説した。その上で、新型ウイルス感染拡大がもたらす中国電動車販売へのインパクトは、中国の自動車販売市場全体よりもさらに厳しいものになるとの認識を示した。
 新型ウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、中国に工場を構える海外自動車メーカーは、春節明けの工場再稼働延期を相次ぎ発表している。トヨタ自動車(7203/東証)は、天津や広東など4工場について、春節後の操業再開時期を2月10日以降に延期した。ホンダ(7267/東証)も、天津と江蘇省太倉の二輪車工場の春節後稼働再開を9日に延期する方針を決定している。ルノーとフォードも中国各地工場の営業再開時期を10日に延期した。
 一方、独自動車部品メーカーのベバスト(Webasto)では、従業員4人の新型ウイルス感染が明らかになっている。1月初旬に中国で研修を受けた際に感染したと思われる1人がドイツに帰国後、同僚に伝染させていったとみられる。同社は感染者と濃厚接触のあった従業員40人を特定。予防措置として、29日から隔離観察に入った。同社は、少なくとも向こう2週間内に予定していた本社従業員の中国渡航をキャンセル。本社1000人の在宅勤務を認めている。
 ベバストの状況を踏まえて、独同業のシェフラーも2月15日まで従業員の中国出張を禁止した。シェフラーは中国に1万2000人の従業員を擁し、武漢にも事務所を構えている。


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