中国の広義通貨（M2）は、2020年5月末時点で前年同月比11.1％増の210兆200億人民元（約3168兆6800億円）に拡大した。伸び率は4月から横ばいとなっている。狭義通貨（M1）は6.8％増の58兆1100億人民元。伸び率は4月から1.3ポイント拡大した。流通貨幣（M0）は9.5％増の7兆9700億人民元で推移している。中国人民銀行が発表した。

　5月末の人民元建て貸出は、13.2％増の163兆3900億人民元。伸び率は4月の13.1％から0.1ポイント上昇した。5月の人民元貸出は1兆4800億人民元の純増。増加幅は前年同月より2984億人民元多くなっている。部門別では、家計向けが7043億人民元の純増、企業単位向けが8459億人民元の純増だった。

　5月末の社会融資残高は、12.5％増の268兆3900億人民元に拡大。伸び率は4月から0.5ポイント加速した。人民元建て貸出（実体経済向け）は13.3％増で、4月の13.1％増を上回る伸び率。企業債券は4月の19.4％増から20.4％増へ、政府債券は同15.2％増から17.2％増へとそれぞれ伸びが加速した。

　第1四半期の銀行家アンケートによると、銀行業景気指数は58.3％となり、前年第4四半期から12.4ポイント急落している。銀行利益指数も50.5％と、同17.1ポイントの大幅低下となった。貸出総体需要指数は66.0％で、前年第4四半期から0.7ポイント上昇している。

　2020年3月末の銀行口座数は115億1500万口で、19年末から1.43％増えた。うち個人口座は114億4500億口を数え、1人あたり平均は8.17口となっている。また全国の銀行カード発行枚数は85億2800万枚で、19年末から1.3％増加。1人あたり保有枚数は6.09枚だった。


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