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  ニュース     2020/03/30 19:05

吉利汽車は通期35%減益、20年販売目標は4%増141万台(詳報) 無料記事

 民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)は30日、2019年12月期(本決算)の業績を発表し、純利益が前年比34.8%減の81億8963万人民元(約1244億円、希薄化後EPS:0.89人民元)に縮小したと報告した。売上高は8.6%減の974億124万人民元。1株当たり0.25香港ドルの期末配当を実施する方針だ。
 需要の低迷と市場競争の激化を受けて新車販売が苦戦したほか、価格圧力も強まった。米中貿易摩擦の激化、自動車購入支援策の縮小、新排ガス基準の導入を控えた買い控えなどが逆風となっている。合弁生産の新ブランド車「Lynk & Co(領克)」を含むグループ全体の販売台数は、前年を9%下回る136万1560台。7月に下方修正した年間目標(136万台)を辛うじて達成するにとどまった。うち輸出販売は109%増の5万7991台に膨らんだものの、国内販売が12%減の130万3569台に落ち込んだ。また、製品構成の高度化によるプラスの影響は、値下げ販売によって相殺され、平均出荷価格が前年並みにとどまっている。粗利益率は20.2→17.4%(↓2.8ポイント)に悪化した。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20年は同社にとって過去最も厳しい一年となる可能性が高い。厳しい経営環境が見込まれる中、同社は競争力の高い新エネルギー車の投入、生産の現地化などによって収益性を高めたい考えだ。また、20年は東南アジアや欧州などへの輸出拡大を目指す。同年の新車販売目標は、1月に設定した141万台を維持。前年実績を4%上回る水準を目指す。
 中小型車に強みを持つ吉利汽車は、「吉利」「帝豪」「遠景」「自由艦」「金剛」「熊猫」などの自主ブランドを生産・販売する。近年はSUVの「吉利博越(Geely Boyue)」などが人気。寧波、済南、成都など中国に9カ所の生産拠点を置く。17年12月に新ブランド車「Lynk & Co」を投入した。


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