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  ニュース     2020/02/20 18:59

中国:上海積塔半導体が工場整備再開、年内にも量産態勢 無料記事

 春節連休明けの上海市で、中央企業(中国中央政府に直属する国有企業)傘下の上海積塔半導体有限公司(GTASemi)が新工場の稼働に向けた準備作業を急いでいる。すでに建屋は完工し、製造装置の搬入や調整に追われている段階だ。2020年末までの量産開始を目指している。複数の中国メディアが20日付で伝えた。

 中国電子信息産業集団有限公司(CEC)子会社の積塔半導体は、海臨港重装備産業区内で特殊半導体工場(8インチ、12インチ)を建設中。総投資額を359億人民元(約5700億円)に設定したうえで、18年8月16日に面積23万432平方メートルの工業用地で着工した。19年5月に工場棟が完工し、19年12月から製造装置の搬入作業を進めている。

 8インチウェーハ(月産6万枚)、12インチウェーハ(月産5万枚)を加工し、カーエレクトロニクス、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、電源管理、センサなどを生産する予定だ。稼働5年後の生産額170億人民元以上を見込む。現地で5000〜6000人を雇用する。

 上海市政府とCECは戦略提携済み。積塔半導体の工場建設計画は、上海市の重大産業プロジェクトに指定されている。

 上海積塔は事業規模を急ピッチに拡大してきた。18年10月30日、CEC系のICファウンドリ中堅企業、上海先進半導体製造(旧銘柄コード3355/HK)に対し、私有化(TOBによる完全子会社化)案を提示。19年2月13日までに購入手続きを終えた。

 外資合弁企業として1988年10月4日に発足した上海先進半導体製造は、パソコンや通信機器向けに、主にアナログ半導体とバイポーラ技術によるミックスシグナル半導体(アナログ・デジタル混載IC)を製造する。8インチウェーハの加工能力は年15万4000枚。前身はロイヤルフィリップスの合弁会社・上海飛利浦半導体。フィリップスとは技術移転やライセンス生産でも提携関係にある。


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