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  ニュース     2020/01/06 19:00

テンセントが米UMGに10%出資、エンタメ事業強化 無料記事

インターネットサービス中国最大手、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)傘下の騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ:TME/NYSE)は12月31日、米ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)に出資すると発表した。仏メディア大手ビベンディから株式10%を取得する。両社は提携を通じ、共同で中国の音楽・エンターテイメント市場を開拓していく方針だ。

 発表によると、UMGの企業価値は300億ユーロ(約3兆6580億円)。今回の出資には規制当局の承認が必要で、取引は2020年上半期に完了する見通しだ。騰訊音楽娯楽集団はさらに、UMGの株式10%を追加取得するオプションも得る予定という。

 UMGは世界最大の音楽会社で、傘下レーベルにはレディー・ガガ、テイラー・スウィフトといった世界的人気シンガーが所属する。UMGはテンセントと戦略的提携関係を結ぶことで、新市場の開拓を進めたい考えだ。

 一方のテンセントは、エンターテイメント事業の強化を図る狙い。同社は18年12月、傘下の騰訊音楽娯楽集団を米ニューヨーク市場に分離上場させた。TMEは「QQ音楽」「酷狗音楽」「酷我音楽」という3つのプラットフォームを通じ、中国で音楽配信事業を展開。19年9月末の時点で、オンライン音楽配信のモバイル月間アクティブユーザーは6億6100万人に上る。

 テンセントはネット・モバイル関連の付加価値サービス、ネット広告、Eコマースを収益の柱とする。看板商品のIM「QQ」で築いた膨大な顧客基盤とブランド力を背景に、SNS、ミニブログ、オンラインゲームなど次々と新分野を開拓してきた。足元では、スマホ向けメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の利用者が11億人を突破。同サービスを基盤に、各事業の収益を伸ばしている。


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