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  ニュース     2020/08/26 19:30

中国:SiCデバイス、NEV導入推進に期待 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 炭化ケイ素(SiC)パワーデバイスの新エネルギー車(NEV)搭載状況が注目を集めている。高効率化を通じた低消費電力と小型化を実現するためだ。独インフィニオン・テクノロジーの張昌明・大中華区汽車電子事業部区域市場経理は、「SiCデバイスは2025年までに中国NEV市場で20%のシェアを獲得する」との見通しを示している。中国電子報が25日報じた。
 電気自動車(EV)にSiCデバイスを導入することで、インバーター(電流調節装置)の消耗度が低下する。また、長距離走行のための高容量電池に対応する車載充電器は、高速スイッチングにSiC基板で製造した金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)が求められている。SiC MOSFETは昨年、EV世界最大手の米テスラが「Model 3」のメインインバーターに導入して注目を集めた。
 西安電子科技大学の張玉明・教授によると、中国では比亜迪(BYD:1211/HK)、奇瑞汽車(CHERY)、北京汽車(1958/HK)などの既存自動車メーカーがSiCデバイスのNEV導入に積極的だ。一方、NEVメーカーは慎重なため、今後は導入ペースを上げる必要があるという。
 SiCデバイスは価格が高く、普及には引き下げが課題となる。製造プロセス微細化やウェーハ大型化などの技術面での手法の他、新型基礎インフラ建設の各分野での応用など供給領域を拡大する必要性も指摘された。


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