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  ニュース     2020/06/22 18:59

中国:5Gサプライチェーン企業の動き活発、資金調達で開発加速 無料記事

 インフラ整備の推進につれて中国の第5世代(5G)移動通信サービス市場が本格的に立ち上がるのを前に、各サプライチェーン企業が動きを活発化させている。今年に入って、資金調達の足取りを加速。5G時代にそぐわない部門の廃止などの業務調整も同時に加速している。21世紀経済報道が22日付で伝えた。
 5Gの関連企業は、このところ資金調達計画を相次ぎ披露している。イヤホン生産で世界大手の歌爾声学(GOERTEK:002241/SZ)は転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行する計画。最大40億人民元(約604億円)を調達する予定だ。通信機器大手の中興通訊(ZTE:763/HK)は今年3月以降、総額70億人民元規模のコマーシャルペーパー(CP)を発行している。また、長年にわたり延期してきた第三者割当増資を実行。さらに130億人民元を調達した。欧菲光集団(002456/SZ)と蘇州東山精密製造(002384/SZ)も相次いで増資計画を発表している。
 歌爾声学はCB発行計画を披露した声明で、民生用電子機器分野で中国メーカーを取り巻く環境の変化を指摘。EMSやOEMなど受託製造方式が主流だった従来のビジネスモデルから、JDM(共同設計開発製造)モデルへの転換が進みつつあると現状を説明した。こうした変化が中国企業の研究開発投資を後押し。国際的な競争の地位を引き上げていると総括している。
 こうした流れは、ZTEの事業戦略にも表れているようだ。第三者割当増資を通じて直近で調達した130億人民元について、うち91億人民元を5G通信ネットワークの技術研究に充てる予定という。同社がこれまで発行したCPは、主に銀行借り受けの返済や運転資金に充当されてきた。
 一方、中国の通信精密機器業界では、幹部の入れ替えも目立つ。タッチパネル大手の欧菲光集団(002456/SZ)では、同社の過去10年にわたる高成長をけん引してきた蔡栄軍氏が董事長を辞職。後任に80年代生まれの趙偉・総経理を充てる人事が発表された。併せて通信端末事業部の内部調整を実施。部門幹部の一新に着手した。


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