自宅に居ながらにして消費に貢献する「宅経済」が中国で急拡大している。新型コロナウイルスの感染脅威に直面するなか、足もとで消費のキーワードは「健康」や「クリーン」へと変化した。便利機能を備えた健康調理家電や空気清浄機、トレーニング機器のネット通販取引が爆発的に伸びている。中国政府系メディアが18日付で伝えた。
　これまで外食が主流だった多くの世帯が自炊派に転向している、京東商城（JD/NASDAQ）では、食材を入れてスイッチを押すだけで自動調理してくれる電気鍋の2月以降取引額が前年同期比で140％も増加。蘇寧易購集団（002024/SZ）の2月販売もノンフライヤーが9倍、多機能電子レンジが3倍にそれぞれ膨張した。フードプレッサーも人気化している。調査会社の奥維雲網によると、1月のオンライン販売額は、前年同月比26.11％増の20億100万人民元に拡大した。
　衛生・消毒関連機器も売り上げを急速に伸ばしている。蘇寧では、消毒ケースと空気清浄機の販売量が205％、304％ずつ拡大。食洗器の検索件数も283％増えた。
　フィットネス・トレーニング機器も売れ筋商品の一つ。静音設計の折り畳み式ランニングマシンなどがよく売れている。
　専門家は、「自宅に巣ごもりしていても消費者の生活関連製品需要は衰えていない」と指摘。「レストランやトレーニングジム、映画館、KTV（カラオケ）などのサービス・娯楽施設が自宅に移動したようなもの。新しい消費場面が新しい消費需要を生み出した」と解説した。
　中国電子信息産業発展研究院がこのほど発表した「2019年中国家電市場報告」によると、同国の19年家電業界は「消費レベルアップ」が大きな特徴としてみられている。テレビ小売額に占める4Kモデルの比率は85％にまで上昇。エアコン小売額に占める「1級省エネルギーモデル」の比率も59.2％にまで高まった。価格1万1000人民元（約17万円）を超える高機能冷蔵庫の販売額は、前年比伸び率が17.4％に加速している。食洗器の許容価格も「4000〜9000人民元」の水準に上昇した。


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