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  ニュース     2019/12/20 18:59

ユニコーン企業TOP500、中国は世界独走217社 無料記事

 世界でも希少な“一角獣”が中国では大群を成している。ユニコーン企業(創業10年以内、かつ評価額10億米ドル以上の急成長、未上場企業)の世界ランキングで、中国企業は217社が上位500社内に入った。500社の43.4%を占めて、米国を抑えて世界最多となっている。うち交通領域では26社がランク入り。配車アプリ運営で中国最大手の「滴滴出行(Didi Chuxing)」が総合5位となって、セグメント別首位に立っている。中国人民大学中国民営企業研究センターと北京インビジブル・ユニコーン情報科学技術院(BIHU)がこのほど発表した「2019世界ユニコーン企業500強発展報告」に記された。
 2019年版の世界ユニコーン企業データベースを基に企業評価額を順位付けしている。エリア別では、米国と中国で上位500社の82%を占めた。うち中国の合算評価額は9413億8200万米ドルで世界最高。米国は38.6%を占める193社(7439億1400万米ドル)が500社入りした。残り18%は欧州とアジアに分布している。
 中国企業は6社が上位10入り。阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)傘下フィンテック企業のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービス・グループ)が2位(1538億4600万米ドル)、動画共有サービスTikTokなどを運営する北京字節跳動科技(BYTEDANCE)が3位(750億米ドル)、アリババ傘下でクラウドサービスを手掛ける阿里雲計算(Alibaba Cloud)が4位(670億米ドル)、滴滴出行が5位(560億米ドル)、アリババ系で生活サービスを提供する「阿里本地生活」が7位(300億米ドル)、民生用ドローン市場で世界シェア7割を握る大疆創新科技(DJI)が10位(220億米ドル)につけた。
 交通領域で上位500社に入ったスタートアップは世界全体で37社。うち中国企業で7割を独占した。交通領域に限ったランキングでは、首位の滴滴に続き、中古車取引サイト「瓜子二手車(Guazi)」を運営する「車好多集団」が4位(90億米ドル)、電気自動車(EV)製造の威馬汽車が6位(60億米ドル)、奇点汽車が7位(38億4600万米ドル)、小鵬汽車が8位(38億4600万米ドル)、中古車取引プラットフォーム「大捜車」が10位(35億米ドル)につけた。
 総合ランキング首位は、米グーグルの自動運転車開発部門ウェイモ。企業評価額は1750億米ドルで、2位のアントを13.8%上回っている。
 中国のイノベーション能力は絶えず増強されてきた。18年は研究開発費と特許出願件数でそれぞれ世界2位に躍進している。資本マーケットの急速発展を背景に、IT大手のスタートアップ投資が目立つ。中国スタートアップ企業の約5割は騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)、アリババ、百度(BIDU/NASDAQ)の資本が入っている状況だ。



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