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  ニュース     2020/03/24 18:59

中国:湖北省車産業の正常化遠く、交通復旧遅延が障壁に 無料記事

 湖北省自動車産業の機能不全が続いている。ホンダ(7267/東証)と東風汽車集団(489/HK)の中国合弁、東風本田汽車有限公司(東風ホンダ)は3月11日に武漢工場を再稼働させたものの、同社関係者によれば現在は“慣らし運転”の段階に過ぎない。本格的な生産復旧時期は、現地政府のスケジュール次第だという。中車網が23日付で伝えた。
 稼働自体を再開できていない車企業も依然として散見される。近年の販売低迷が続く神龍汽車(東風汽車公司と仏PSAグループの合弁)もそのうちの1社。同社関係者は、「自社生産がストップするなか、周辺サプライヤーの工場も当面は操業再開できない」と吐露した。
 湖北省で続く交通復旧の遅延は、車企業の生産再開を一段と困難にしている。武漢市内に居住するある車部品企業の幹部は、「現時点で武漢市に入ることも、出ることもできない」と明かした。
 中国では3月17日現在も、中国のその他省から湖北省に向かう鉄道と飛行機の各路線が閉鎖状態にある。武漢市内ではマイカーが主な移動手段となっているものの、マイカー利用に必要な許可証を取得するハードルも高い。武漢市は操業再開を申請した企業に対し、従業員の帰省先からのUターン方法として大型バスをチャーターするなどの「直通輸送」を要求した。
 前出の神龍汽車関係者は、「自社のスムーズな生産再開は、公共交通の運行回復が欠かせない」と指摘。「物流が開放されなければ完成車を輸送できないばかりか、湖北省外からの部品調達ができず生産すら再開できない」と厳しい現状を語った。
 湖北省の車サプライヤー間で続く休業は、中国全体の車産業にネガティブインパクトをもたらしている。吉利汽車、長城汽車、第一汽車集団など主要車メーカーはいずれも湖北省サプライヤーから部品を調達しているため。生産・販売活動が滞るなか、完成車各社の資金繰りも圧迫された。上海汽車と北京汽車は一部従業員の減給を決定したという。


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