中央政府の要請に応じる形で、広東省広州市も自動車購入支援に乗り出す。広州市政府が20日開催した常務会議で、「自動車生産・消費促進の若干措置」が審議を通過した。「車購入補助」、「乗用車ナンバープレート発給枠拡大」などの施策を盛り込んでいる。

　新型コロナウイルス感染拡大が車産業を直撃するなか、広州市は◆新エネルギー車（NEV）消費喚起、◆買い替え支援、◆車消費環境改善――の3本立てで業界運営の安定化を促す構えだ。タクシー向けナンバー発給も増枠し、車産業の健全発展を支援する。域内総生産（GDP）200億人民元（約3110億円）超の押し上げ効果を狙う意向だ。

　併せて、NEVインフラ整備も加速させる。政府庁舎や企業社屋などの露天駐車場に充電施設を設置することを奨励するほか、公共充電スタンドの整備も促す。廃バッテリーの二次利用、または再生利用のモデル産業団地も整備する予定だ。

　新型コロナ対策として、車両登録手続きや車税納入のオンライン化や、車メーカーのネット通販利用も促進すると確認した。

　コロナ騒動後に地方政府が車購入促進策を打ち出した地方政府は、広州市のほか、広東省仏山市、湖南省長沙市、湖南省湘潭市など。仏山市は排ガス基準「国6」を満たす環境適応車の購入者に対し、1台当たり2000〜5000人民元を一律交付する。乗用車ナンバープレート発給規制の増枠と、買い替え消費者向けの補助が柱だ。長沙市発展改革委員会は14日、「自動車消費促進策」を公布した。市内で生産された自動車製品の購入につき、1台3000人民元を上限に車体価格の3％を補助する。3月11日から6月30日まで時限的に実施すると通知した。長沙市の指定販売店で購入し、市内で車両登録を行うことが前提。販売店が補助金を立て替える形式を採る。

　春節休暇の前倒しと新型コロナ大流行の大逆風が吹きつけるなか、中国新車販売は足元で大苦戦。中国汽車工業協会によれば、今年2月の販売実績は22万4000台にとどまり、前月比で86.1％、前年同月比で81.7％も急減した。


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