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  ニュース     2019/12/25 18:59

中国:合弁解消「長安PSA」、宝能投資に事業引き継ぎ観測浮上 無料記事

 重慶長安汽車(200625/SZ)と仏自動車大手グループPSAの合弁解消決定に絡み、民営コングロマリット大手の深セン市宝能投資集団有限公司(Baoneng)がその事業を引き継ぐ可能性が出てきた。PSAが売却予定の「長安PSA」保有株50%について、宝能が潜在的な買い手候補として浮上している。騰訊汽車が消息筋情報として23日付で伝えた。
 すでにPSAと宝能が合意に達したとの情報もある。PSA中国・東南アジア区幹部は、「コメントは控える。進展情報があれば速やかに発表する」と説明。宝能の広報担当も、「情報を把握していない。もし進展があればより詳しい情報を提供する」と述べ、両社とも明確に否定しなかった。
 一方、長安汽車も長安PSAの保有株50%を売却する見通し。重慶連合産権取引所を通じ、持ち株50%を公開譲渡する。期間は11月29日から12月26日。長安汽車のこれ以前の発表内容によれば、株式評価額に基づき、売却価格を16億3000万人民元(約255億円)に設定した。
 2011年設立の長安PSAは、本拠地の深センに年間生産能力20万台の工場を保有。長安汽車の高級ブランド「DS」車を生産してきた。しかし「DS」車の販売は振るわず、今年10月と11月は販売1ケタにまで落ち込んでいる。経営不振が長期化するなか、11月末時点の負債総額は68億2200万人民元(約1065億円)に膨れ上がった。
 不動産開発を主力とする宝能投資は、2017年12月に33億人民元を出資し、観致汽車(クォロス・オート)の単独筆頭株主になったが、観致汽車は今年4月に販売奨励金を巡りディーラーと衝突。ディーラーによる集団抗議活動に発展した。長期の赤字経営も改善されていない。
 宝能集団のほか、中国では過去3年で中国恒大集団(3333/HK)、華夏幸福基業(600340/SH)、碧桂園(カントリー・ガーデン:2007/HK)、大連万達集団など大手デベロッパー10社以上が自動車分野に続々と投資してきた経緯がある。特に新エネルギー自動車(NEV)の領域に集中した。


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