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  ニュース     2020/04/13 18:59

中国:「中医薬」輸出に契機、コロナ患者90%以上に効果 無料記事

 中国の伝統医学に基づく「中医薬」に関して、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスが輸出契機を創造している。世界に先駆けて「コロナ封じ込め」に成功したとされる中国で、中医薬が重要な役割を果たした事実が報告されたため。ある統計によれば、中国の感染患者のうち、その91.5%を占める7万4187人の治療に中医薬が使用された。その臨床効果は高く、90%を超す症例で治療効果が確認されたという。21世紀経済報道などが13日付までに伝えた。

 米国、イタリア、オランダ、英国、ポルトガルなどの国々では、中医薬診療所を訪れる患者が足元で急増。現地の中医薬販売が倍増している。うち石家荘以嶺薬業(002603/SZ)の「連花清瘟カプセル」はカナダ、ルーマニア、インドネシア、モザンビーク、ブラジル、香港、マカオなどに向けて輸出。同社の第1四半期業績を大幅に押し上げている。

 連花清瘟はSARS(重症急性呼吸器症候群)の治療目的でかつて開発された。主な成分は、連翹(レンギョウ)、金銀花(スイカズラ)、炙麻黄(マオウ)、炒苦杏仁(クキョウニン)、生薬石膏、板藍根(バンランコン)、綿馬貫衆(メンマ)、魚腥草(ドクダミ)、広 香(カッコウ)、大黄(ダイオウ)、紅景天(イワベンケイ)、薄荷結晶(ハッカ脳)、甘草(カンゾウ)という。

 3月25日午後、中国、ドイツ、英国、イタリア、ルーマニアなど医学専門家が参加する中欧防疫オンライン交流会が開催された。今回の新型コロナとの闘いに関して、中国工程院院士で呼吸器疾患専門家の鐘南山氏が中医薬の実践経験を紹介。抗ウイルス、抗炎症作用を擁する「連花清瘟カプセル」の高い治療効果を強調した。鐘氏の示した報告書によれば、コロナ感染者284人に「連花清瘟カプセル」を投与したところ、回復率は91.5%に達したという。

 中国の中医薬輸出を巡っては、欧米などを中心に規制の壁に阻まれてきた経緯があるだけに、今回のコロナ危機がその突破口となるかが注目されよう。中国医薬保健輸出入商会の柳燕・副主任によれば、国外政策法規の影響を受けるなか、中国の中医製剤輸出は19年に前年比0.45%減の2億6200万米ドル(約283億円)まで落ち込んだ。うち第2の輸出先である米国向けは16.65%も減少している。


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