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  ニュース     2020/06/02 18:59

19年電動車向け投資、7.18兆円欧州が中国を初超過 無料記事

 電動車領域への投資額で、2019年に欧州が中国を初めて追い抜いた。欧州の投資額が600億ユーロ(約7兆1800億円)と例年の20倍超に急増する一方、これまで世界首位を独走してきた中国は171億ユーロに停滞。「世界最大の新エネルギー車市場」とする中国マーケットの位置付けに影響が出る可能性も指摘された。ベルギー・ブリュッセルに拠点を置く環境非政府組織(NGO)のトランスポート&エンバイロメント(T&E)がこのほど報告したリポートに示された。

 T&Eによれば、18年6月までの12カ月間でみると、欧州電動車マーケットの投資額が32億ユーロにとどまる半面、中国は217億ユーロに上る巨額投資を引き付けていた。19年は完全逆転の投資構図となっている。

 T&Eは、「電動車市場の盟主争いで欧州は数年前まで劣勢に位置していたが、欧州連合(EU)の二酸化炭素(CO2)排出削減目標が状況を一変させた。電動車・車載電池向け投資に関して完成車メーカーと現地政府の意欲を駆り立て、中国の距離を縮めた」と解説している。

 自動車から排出されるCO2に関して、EUは21年に規制を厳格化する予定。EU域内で販売される新車の走行1km当たり平均CO2排出量について、95gまで下げることを義務化する。この規制値に到達しなければ、1台当たり1g/kmの超過につき95ユーロの罰金が科されるだけに、欧州完成車メーカーの電動車技術投資を後押しした。EU加盟国も関連の支援政策を相次ぎ導入している。


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