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  ニュース     2021/01/13 19:00

中国シノバック製ワクチン、ブラジル治験で有効性50.4%どまり 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】ブラジルの研究チームは12日、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した新型コロナウイル感染症ワクチンについて、国内での後期臨床試験で確認した有効性が50.4%だったことを明らかにした。世界保健機関(WHO)はコロナワクチンに求める有効性の目安を50%としているが、シノバック製ワクチンの有効性を巡ってはさまざまな数字が飛び交っており、データの信頼性を疑問視する向きもある。複数メディアが13日までに伝えた。
 シノバック製ワクチンに関しては、ブラジル治験パートナーのブタンタン研究所が先週7日、軽度の症状に対して78%の有効性を確認したと発表。一方、中国以外では初めてシノバック製ワクチンの緊急使用を認めたインドネシアは、国内の治験で65%の有効性が確認されたことを明らかにした。このほか、トルコは昨年12月、シノバック製ワクチンの有効性を91.25%と発表。ただ、インドネシアやトルコの治験は参加者が少なく、十分な結果を得られなかった可能性が指摘された。
 もっとも、香港医学会・伝染病顧問委員会の専門家は地元メディアの取材に対し、新たに発表された有効性50.4%というデータについて、予防効果が全くないことを意味するわけではないと説明している。治験対象の年齢や無症状感染者の比率など、現時点では検証に必要なデータが不足していると指摘した。また、ここ2〜3カ月のウイルス変異もワクチンの有効性に影響している可能性に言及している。
 なお、中国製コロナワクチンでは、中国医薬集団(国薬集団:シノファーム)傘下の中国生物技術が昨年末に初期分析結果を発表し、79.34%の予防効果が確認されたと報告した。中和抗体陽転率(免疫ができる割合)は99.52%に達しているという。


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