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  ニュース     2021/07/20 19:00

中国:高齢者向け家電需要は1兆円規模、安全・簡単に注目 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】高齢者人口が増大を続けるなか、家電製品にもその波が及んでいる。調査会社の奥維雲網(AVC)によると、都市部の一人暮らし高齢者世帯の家電需要は、全国で600億人民元(約1兆130億円)規模を超えた。安全性を重視したうえで複雑な操作が必要ない機器や、高齢者向けの特殊機能に注目が集まっている。三湘都市報が19日付で伝えた。
 今年5月に発表された「第7回人口センサス」(国勢調査)では、中国の60歳以上人口が国民全体の約2割に相当する概算2億6000万人を超えていたことが判明。2025年の高齢者人口は3億人を突破する見込みだ。
 こうしたなか、高齢者向けの家電製品の需要は大きい。美的集団(000333/SZ)は「電子器官」を搭載したスマート家電を市場投入した。空気中の一酸化炭素濃度を「電子鼻」で管理・感知する。一定濃度を検測したら警報で知らせたり、「電子眼」で鍋の焦付きを感知して自動的にガスの元栓を閉めるなどの機能を付加した。
 一方、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)の家電では、室内のPM2.5除去率を90%以上まで上げた空調が人気。毎月の販売台数は2000台を超えている。
 珠海格力電器(000651/SZ)も高齢者向け機能を搭載したエアコンを開発。体調に合わせて温度を管理し、冷えすぎを防ぐようにした。
 AVCは、一人暮らしの場合は実用性があり操作が簡単なもの、丈夫なものを選ぶべきと指摘。家族同居の場合は価格や機能が高めの製品を選ぶよう勧めている。
 業界関係者によると、高齢者は新しい家電について、「使い方が複雑で難解」などの苦情を寄せる場合が多い。製品には簡単、安全、節約、適切、透明性などが求められるという。


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