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  ニュース     2020/12/17 19:00

中国:中央経済工作会議は週内開催か、「需要側改革」などテーマに 無料記事

 中国で今週中にも、翌年の経済政策方針を決める重要会議「中央経済工作会議」が開催されるもようだ。香港経済日報が16日伝えた。来年は第14次5カ年計画(2021〜25年)の初年度ということもあり、今回の会議の内容に国内外から注目が集まっている。これまでの報道によると、「需要側改革(需要サイドの構造改革)」「反独占」などがキーワードになる見通しだ。
 例年12月に開かれる中央経済工作会議は、同月開催の中国共産党中央政治局会議の内容を踏まえて実施される。中央政治局会議は先週11日に終了しているため、近く中央経済工作会議が開催される見込みという。新型コロナウイルス禍、米中対立などの懸念要素をいかに克服していくか、中国の政策指針を内外に示すものとして今年の中央経済工作会議は特に大きな注目を集めている。
 複数メディアのこれまでの報道をまとめると、今回の中央経済工作会議のキーワードは「需要側改革」「反独占」「金融リスク防止」「出口戦略」「経済成長」の5つとなる見通しだ。その具体的な内容は次の通り。
◆需要側改革:従来からの重要課題である「供給側改革(供給サイドの構造改革)」に加えて、中央政治局が11日の会議で初めて言及した。「需要側改革」では、末端消費者の消費力を引き上げることなどが重要課題になるとみられている。次期5カ年計画の重要テーマになる見通しの「双循環(2つの循環)」戦略と併せて、中国は内需の拡大に注力していく方針だ。
◆反独占:上述の「需要側改革」と同様に、中央政治局が11日の会議で初めて言及した。同会議では、「独占の禁止、資本の無秩序な拡大防止を強化する」との方針が示されている。具体的な業界に関する言及はなかったが、インターネット業界を念頭に置いたものとみられている。
◆金融リスク防止:中国では今年、債務比率が大幅に上昇し、企業のデフォルト(債務不履行)も増加した。企業の負債圧力を軽減し、金融システムの安定を図ることが来年の重要政策テーマになるとみられている。ただ、「ゾンビ企業」整理などの従来政策とのバランス調整が課題となる。
◆出口戦略:コロナ禍からの景気回復が進む中、金融政策、財政政策の「正常化」が来年の課題となる。ただ、「政策の崖」を防ぐために、出口戦略はタイミングと程度をはかる必要がある。
◆経済成長:11日の中央政治局会議では、経済成長を妥当なレンジ内に維持する方針を示した。政府系シンクタンクである中国社会科学院の専門家は先ごろ、第14次5カ年計画期間中の平均経済成長目標について、「5%前後が妥当」との見解を示している。
 例年12月に開かれる中央経済工作会議は、中国共産党と国務院が経済情勢の現状を判断した上で、翌年の経済政策の基本方針を決定する重要会議。中国の政策課題などを見極める上で、世界的に注目度の高い会議だ。翌年度の国内総生産(GDP)成長率目標も議題に上るのが通例だが、その数字が公表されるのは翌年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)となる。


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