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  ニュース     2020/10/01 18:59

中国:5G基地局の予備電源需要は膨大、退役電池の利用推進へ 無料記事

 通信基地局の予備電源に関し、大量に生じる廃棄電池を利用すべき――とする専門家の意見が注目を集めている。前世代の4G通信基地局と比較し、5G基地局に必要な予備電源は蓄電容量ベースで2倍を超えるほど大きいため。すべてを新品で調達するよりも低コストのシステム構築が可能だ。廃棄時の浪費や環境汚染防止にもつながる。中国生態環境部固体廃物・化学品管理技術センターの韋洪蓮・チーフエンジニアが説明した内容として、中国新聞網が9月29日に伝えた。
 中国のリチウムイオン動力電池の搭載量、退役量は拡大基調を続けている。2018年の搭載量は、前年比56.3%増の56.9GWh(5690万kWh)規模に達した。19年も9.3%増の62.9GWhに伸びている。新エネルギー自動車(NEV)購入補助の削減で50.9%のマイナス成長を強いられたものの、今年1〜5月も18.2GWhが新たに搭載された。
 重量ベースの退役量は19年が8万4000〜12万4000トンで推移し、20年は約20トンに上る見通し。第14次5カ年計画最終の25年には、73万トン以上に膨らむと想定される。この70%を再利用することで環境保護と電池充足が実現する計算だ。再利用市場の規模は、200億人民元(約3100億円)を超えるとみられている。
 一方、中国全土をカバーするための5G基地局数は770万基に上る。5G基地局に必要な予備電源容量は、20年に14.4GWh、21年に21.2GWh、22年に27.6GWhまで急ピッチに増加する見込み。これらをすべて新品で調達した場合、19年の中国リチウム電池出荷総量(131.6GWh)のそれぞれ10.9%、16.1%、21.0%に相当する規模だ。退役電池を用いると、すべての5G基地局数の予備電源を賄うことが可能という。


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