【亜州ビジネス編集部】米テスラ（TSLA/NASDAQ）が中国製自動車の海外輸出に着手した。上海に整備した海外初工場「Gigafactory 3」で生産した「Model 3」を出荷する。海外輸出の第1陣は27日、欧州エリアに向けて出航する。海路を利用し、11月末の現地到着を見込む。中国新聞網などが伝えた。

　今回は7000台を欧州に順次出荷する。ベルギーの港湾に着岸し、ドイツ、フランス、イタリア、オランダなど十数カ国に送り出す予定だ。今年12月末までの輸出額は4億5000万米ドル（約472億円）に上る見通し。グローバル戦略の一環として、中国で製販した車両と同じ製品で展開する。

　生産拠点としてのテスラ上海工場は存在感を増大させてきた。足元では、多目的スポーツ車（SUV）「Model Y」生産の第2期プロジェクト工場を整備中。2021年から現地生産を開始する予定だ。動力電池、モーター、重要部品の生産に向けた投資も拡大させている。

　上海自由貿易試験区・臨港新片区の「Gigafactory 3」は、投資額20億米ドルで19年1月7日に着工した。19年末、まず従業員向けに「Model 3」を出荷した。着工からわずか1年足らずで製品出荷にこぎつけている。

　テスラは米ネバダ州ストーリーに「Gigafactory 1」、ニューヨーク州バッファローに「Gigafactory 2」を擁する。米国2カ所、中国1カ所「Gigafactory 3」に次ぐ世界4番目生産拠点「Gigafactory 4」は、独ベルリン新空港近くのブランデンブルグ州グリューネハイデを建設地に選定した。また、今年7月23日には、テキサス州オースティン近郊に新工場を整備する計画を打ち出している。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。