詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2021/06/21 19:00

中国:「低速小型EV」国家標準策定へ、最大時速70kmなど 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】「微電」と呼ばれる低速小型の電気自動車(EV)に国家標準が設けられる。これまで法的に曖昧な存在だったが、微電は純電気乗用車の一部に組み込まれる運びだ。当局の中国工業信息化部(工業情報化部)は17日、「純電動乗用車技術条件」(意見募集稿)を公布。8月16日まで意見を求めると発表した。 

 純電動乗用車の一種とみなして、管理規則を拡大適用する。座席数は4席以下。サイズは全長3500mm、幅1500mm、高さ1700mm以下とする。重量は750kg以下、最大時速70km、航続距離100km以上、電池エネルギー密度70Wh/kg以上。0-30km/h加速は10秒以下、勾配(上り坂)4%で時速20km以上、勾配(上り坂)12%で時速10km以上を求める。

 統計によると、中国では約100社の低速小型EVメーカーがひしめく。主な所在地は山東省、河南省、河北省、江蘇省、福建省など。これらの年産能力は200万台以上に拡大した。

 中国メディアによると、このところ中国では、低速EVの人気が盛り返している。NEV補助金の対象から除外された要因で存在感が一時薄れたものの、補助減額政策の常態化で状況は一変した。低価格を特徴とし、かつ都市部住民の足となる超小型EVに対する需要は高まりつつある。「オートバイよりも安全で、かつ、手軽な乗り物」として交通アクセスの悪い農村部でも需要が根強い。

 外観は「A00」(ミニ)のセグメントと似る。A00セグメントの小型EVは、既存車種で上汽通用五菱「宏光MINIEV」、上汽栄威「科莱威 (Clever)」、奇瑞新能源汽車技術「小マ蟻」など。小売価格2万8800〜4万3600人民元(約49万1000〜74万3000円)の宏光MINIEVは、売れ筋商品に躍進した。2020年7月の発売以来、新エネルギー自動車(NEV)月次販売で9カ月連続の中国TOPに立っている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース