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  ニュース     2018/03/14 17:23

中国:コバルト最大手・華友鈷業が電池素材工場、浙江で1070億円投資 無料記事

 中国最大のコバルトメーカー、浙江華友鈷業(603799/SH)は12日、浙江省桐郷市にリチウム電池材料工場を建設する計画を明らかにした。63億7000万人民元(約1070億円)を投じ、年産15万トンの生産拠点を整備する。今年10月に着工し、2021年10月の完成を予定。投資額のうち3割は手元資金で賄い、残りは銀行から借り入れる方針だ。
 新工場で生産するのは、リチウムバッテリー三元系前駆体(プリカーサ)の素材。三元系素材はコストが低く、容量が大きく、安全性能が高いという特長を持ち、小型リチウム電池の市場で需要が拡大しつつある。ある機関の予測によると、家電やポータブル機器に使用される三元系素材は向こう5年にわたり、年平均5%程度の伸びを維持する見通し。
 華友鈷業によると、生産開始後の新工場は売り上げ規模が年平均125億2500万人民元に上る見込みという。ただ、こうした収益見通しや銀行借り入れによる財務への影響に関しては、証券当局が13日、同社に対して補足説明を求めている。
 なお華友鈷業をめぐっては、今年1月の時点で韓国鉄鋼大手ポスコとの合弁計画が伝わった。合弁会社2社を立ち上げ、リチウムイオン電池材料の生産を手がける。20年をめどに、前駆体やカソードの生産・販売を開始する計画だ。同社はポスコとの提携について、中長期的な戦略の一環と説明。同社は第13次5カ年計画の期間中(16〜20年)、新エネルギー素材事業を重点的に発展させる計画を明らかにしている。
 電気自動車(EV)など新エネ車の普及を背景に、中国ではリチウムイオン電池材料の需要が拡大していく見通し。中国の新エネ車販売台数は16年に50万7000台に達し、前年比で53.1%増加した。研究機関の高工産研リ電研究所(GGII)は、中国の車載用リチウム電池生産規模(容量ベース)が22年に215ギガワット時(GWh)に膨らみ、16年実績の7倍近くに膨らむと予測。伸び率は徐々に鈍化するものの、22年時点でもなお2ケタ成長を持続するとみている。


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