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  ニュース     2020/10/07 18:59

アリババ系アント、香港・上海「同日上場」を計画 無料記事

 阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)傘下で、電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を展開するマ蟻科技集団(アント・グループ)は予定する新規株式公開(IPO)について、香港、上海への「同日上場」を計画しているもようだ。公募価格の決定も同日に行いたい考え。ただ、両市場の上場スキームや決済システムが異なることから、実現できない可能性もあるという。複数の香港メディアが6日までに伝えた。
 報道によると、過去に香港、中国本土に同日上場を果たしたのは、2006年の中国工商銀行(1398/HK、601398/SH)のみ。2010年にIPOを行った中国農業銀行(1288/HK、601288/SH)も同日上場を目指していたが、最終的には上海上場の翌日に香港へ上場した形となった。
 アント・グループは上海「科創板」、香港での同時上場を計画。これまでの報道によると、早ければ中国の国慶節連休(10月1〜8日)明けにも公募を開始し、10月末までに取引を開始する見込みだ。調達規模は計350億米ドル(上海、香港で各175億米ドル)と昨年12月に上場したサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコを上回り、世界で過去最大となる見通し(アラムコの調達額は294億米ドル)。消息筋によると、同社のIPOに対する投資家の引き合いは強く、企業価値評価額は2500億米ドルを超える可能性があるという。
 アント・グループが展開する「アリペイ」は、中国最大の電子決済プラットフォーム。同社が香港証券取引所に提出した仮目論見書によると、「アリペイ」の年間アクティブユーザー数は10億人を突破し、8000万超の店舗が「アリペイ」を決済手段として導入している。デジタル決済サービスの中国国内での取引総額は2020年6月までの1年間で118兆人民元に達した。
 アリババの最新年報によると、20年3月末時点で同社はアント・グループに33%出資している。


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