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  ニュース     2021/02/19 19:00

中国高級車「紅旗」日本上陸、民族系非EVで初 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国の要人が愛用する高級車ブランド「紅旗」が日本に初進出する。日本での報道によると、19日時点ですでに3台が日本に到着した。3月末にテストが終了する予定という。紅旗は国有自動車メーカー大手、第一汽車集団が展開する高級車ブランド。中国の民族系メーカーが非電気自動車(EV)の乗用車を日本で販売するのは、これが初ケースだ。
 報道によると、今回日本に到着したのは紅旗の最上級車種「H9」。日本での輸入販売元によると、2020年8月に発売された「H9」は中国現地で人気の車種だ。日本へ輸入されるグレードの詳細は今月中にも、第一汽車集団が正式に発表する見込みという。
 中国でもこれまでに、紅旗の日本進出が報じられた。一号汽車網が16日、日本の代理店が作成した資料を基に伝えたところによると、販売が予定されている「H9」は8モデル。うち価格が明らかになっているのは6モデルで、669万5000〜1096万5000円という価格設定だ。なお、「H9」の中国国内での販売価格は30万9800〜53万9800人民元(約500万〜880万円)となっている。
 紅旗の投入は日本だけではない。第一汽車集団は20年12月、アラブ首長国連邦(UAE)でも紅旗の予約販売を開始しており、海外展開を加速させている。
 「紅旗」ブランドでは、これまで「L」「S」「H」「Q」の4大シリーズを構築。スマート化やハイブリッド、プラグインハイブリッド(PHE)製品を続々と開発している。20年に「紅旗」ブランド26種の新製品開発、年次リニューアルを完了した。あわせて新エネルギーの「xHEV」「EV」「FCV」の3技術を全面的に導入する。23年までに「紅旗」ブランド全体の電気化を目指す構えだ。
 「紅旗」は1980年代、中国の政府・党要人の専用車として使用されていたが、エネルギー消耗量やコストの高さ、生産量の少なさなどから一時生産停止の状態に陥った。しかし、一汽集団は08年から「紅旗復活プロジェクト」を始動させている。国内の高級車市場をターゲットに、海外ブランドによる公用車寡占の打破に乗り出した。
 長春市に本社を構える一汽集団は、1953年7月に発足した中国初の自動車メーカー。ロシア自動車メーカー、ジルの支援で設立された(ジルによる支援は1956年に終了)。未来に向けた「Connected」「Autonomous」「Shared/Social」「Electric」のニーズを満たす次世代のインテリジェントカーの開発も推進する計画だ。上海汽車、東風汽車とともに「中国3大車メーカー」の一角を成す。


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