【亜州ビジネス編集部】中国銀行保険監督管理委員会（銀保監会）の国有重点金融機構監事会主席（副部長クラス幹部）を務める于学軍氏は24日、中国の生産者物価指数（PPI）が6月に10％に達する可能性があるとの見解を示した。世界的なマネー増加を背景に、インフレ圧力が長期的にくすぶる恐れに言及。現時点で中国の消費者物価は緩やかな上昇にとどまっているものの、生産者物価の急上昇が消費者物価にも圧力をもたらすと指摘した。複数メディアが伝えた。

　前出の于氏は、「中国のインフレはコスト主導型」と指摘。今後、川中・川下企業の生産・経営に直接的な影響をもたらすと懸念した。また、足元では沿海地域の輸出型企業が業績悪化に直面しており、こうした経済情勢が銀行業にもたらす影響にも警戒が必要と指摘している。

　国家統計局によると、中国の5月PPIは前年比で9.0％上昇し、2008年9月以来の高い伸びを記録した。商品市況の上昇や内需の拡大などが背景。消費者物価指数（CPI）は同1.3％上昇している。


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