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  ニュース     2021/03/01 19:00

中国:定年延長で具体案検討中、労働人口5年で3500万人減少へ 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国の人力資源社会保障部の遊キン副部長は2月26日、定年延長に向けた具体的な改革案の検討を進めていることを明らかにした。遊副部長によると、中国の労働人口は縮小が続いており、第14次5カ年計画(2021〜25年)期間中は3500万人の減少が見込まれるといおう。少子高齢化が進む中、人的資源を浪費しないためにも定年の延長が必要と強調している。複数メディアが伝えた。

 遊副部長によると、中国国民の平均寿命は1949年の40歳前後から2019年には77.3歳まで延びている。また、19年末には60歳以上の高齢者の人口比率が18.1%に達した。第14次5カ年計画期間中には、高齢者人口が3億人を超え、中国は中程度の高齢化社会に突入する見込みだ。

 一方、労働人口は2012年以降、年間平均300万人超のペースで減少が続く。第14次5カ年計画期間中には計3500万人の減少が見込まれるという。

 さらに、新たに増加した労働人口のうち、高等教育を受けた人の割合が5割を超えた。教育を受ける期間が長くなるほど、就業年齢も後ずれすることから、定年退職の年齢を調整する必要があると遊副部長は説明している。

 性別・職種別で異なる中国の定年は、現行では原則として男性が60歳、女性は幹部が55歳、ワーカー(現場労働者)が50歳。この定年年齢が決定されたのは1978年のことで、その当時の中国人の平均寿命は男性が64歳、女性が67歳程度だった。

 中国共産党は昨年10月、重要会議の第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で、第14次5カ年計画や35年までの長期目標の基本指針を決定。国営通信の新華社が報じたその条文に、定年年齢の引き上げ方針が盛り込まれた。専門家らは「定年引き上げは避けて通れない」とし、男女の定年年齢統一などを提案している。


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