【亜州ビジネス編集部】中国の無錫ステンレス鋼取引所（無錫市不銹鋼電子交易中心）はこのほど、8日付でニッケル関連商品の取引を一時停止すると通知した。取引再開の日程は改めて通知する。また、8日以降の決済分について、ニッケル製品の取引保証金を20％に調整することも明らかにした。第一財経が8日伝えた。

　ウクライナ情勢を受け、ニッケル相場が急騰していることを受けた措置。7日のロンドン金属取引所（LME）では、ニッケル先物相場が一時、前週末比90％高と急騰し、1トン当たり5万5000米ドルの史上最高値を付ける場面があった。

　こうした中、中国の上海先物取引所でも8日、ニッケル相場がストップ高を付けている。中心限月（2022年4月限）で前日比15％高の1トン当たり22万8810人民元（約420万円）となった。

　商品相場の大幅な上昇を受け、企業業績への影響も懸念される状況だ。特殊鋼メーカーの撫順特鋼（600399/SH）はこのほど、ニッケル、コバルト、バナジウムを含む製品の受注を一時停止する方針を発表。これら原材料の価格が大きく上昇する中、現時点では生産コストへの影響の見通しが付かないためと説明している。価格情勢が落ち着いた後、製品価格の調整案も含めて受注再開の期日を通知する方針とした。


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