【亜州ビジネス編集部】世界保健機関（WHO）のテドロス事務局長は10日、中国の「ゼロコロナ」政策について「持続不可能」と述べ、政策を改めるよう呼びかけた。テドロス事務局長は親中国的な発言で知られ、中国の新型コロナウイルス対策を批判するのは極めてまれ。その後、中国のSNS（交流サイト）のWHO公式アカウントから事務局長の発言内容は削除されたという。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア（RFA）が伝えた。

　一方、中国メディアの観察者網によると、中国外交部の趙立堅・副報道局長は11日の定例記者会見で、テドロス事務局長の発言について「無責任な発言をしないよう望む」と批判。「ゼロコロナは中国の感染状況に最も適した政策だ」と語った。

　上海市では3月末からコロナ感染者が増加。当局は厳格な行動規制を実施し、地下鉄を運休にした。小区に係員を派遣し、消毒作業が行うなどの徹底的な対策が行われている。

　テドロス事務局長のほか、WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏も「感染対策と社会や経済への影響との間でバランスを取らなければならない。人権にも配慮するべき」と訴えた。


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