胡潤研究院が27日発表した2021年度版「中国富豪ランキング」で、農夫山泉（ノンフー・スプリング：9633/HK）創業者の鍾センセン氏（67）が初の首位に輝いた。鍾氏は昨年、初の同番付ランクインにして一躍3位となっていたが、さらに順位を上げた形。傘下企業である農夫山泉と万泰生物（603392/SH）の株価上昇を受け、鍾氏の保有資産は前年比7％増の3900億人民元（約6兆9670億円）に拡大している。

　一方、昨年まで3年連続で首位を維持していた電子商取引（Eコマース）中国最大手、阿里巴巴集団（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）創業者の馬雲氏（57）ファミリーは今年、5位までランクを落とした。中国当局による締め付けを受け、同社株価は大幅な下落を強いられている。馬ファミリーの保有資産は前年比36％減の2550億人民元となった。

　2位は北京字節跳動科技（バイトダンス）創業者の張一鳴氏（38）、3位は寧徳時代新能源科技（CATL：300750/SZ）創業者の曽毓群氏（53）。保有資産はそれぞれ前年比209％増の3400億人民元、同167％増の3200億人民元と大幅に膨らんだ。曽氏については、車載バッテリー最大手であるCATLの株価上昇が資産急増の主因となっている。

　このほか、昨年2位だった騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）創業者の馬化騰氏（50）は保有資産3170億人民元（前年比19％減）で4位に転落。また、昨年5位に付けていた中国恒大集団（3333/HK）創業者の許家印氏（63）は70位へと急降下した。恒大集団の株価は、デフォルト（債務不履行）問題で急落している。

　なお、ランクインした保有資産20億人民元以上の富豪は前年比22％増の2918人（平均年齢56歳）。これら2918人の保有資産は、合計で前年比24％増の34兆人民元に膨らんだ。

　胡潤研究院は中国在住の英国人経済ジャーナリスト、ルパート・フージワーフ氏（中国語名：胡潤）が創設したリサーチ機関。1999年以来、「中国富豪ランキング」を公表している。今年で23回目。今回の番付は、21年9月15日時点の保有資産をもとに作成された。


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