【亜州ビジネス編集部】中国でゲーム市場の規模拡大ペースが急減速している。中国音像数字出版協会・遊劇出版工作委員会（GPC）がこのほど発表した「2021年中国ゲーム産業報告」によると、同年の国内ゲーム売上高は前年比6.4％増の2965億1300万人民元（約5兆3160億円）に拡大したものの、増加率は前年の20.7％から大幅に鈍化した。ゲームユーザー数は0.2％増の6億6600万人と、ほぼ前年並みにとどまっている。香港経済日報など複数メディアが16日伝えた。

　市場の成長鈍化については、高成長を示した前年の反動によるもの。20年は新型コロナウイルス流行による「巣ごもり消費」の拡大を受け、ゲーム売上高が大きく増加していた。また、ユーザー数の伸び悩みに関しては、「ゲーム人口ボーナスの飽和によるもの」と同委は分析。加えて、ゲーム各社による未成年者の利用制限も影響したと同委はみている。

　ゲーム売上高のうち、モバイルゲーム売上高は21年に前年比7.6％増の2255億3800万人民元となった。ゲーム売上高全体の76％を占めている。増加率は前年の32.6％から減速した。

　このほか、中国eスポーツ市場の成長も大きく減速。21年の売上高は前年比2.7％増の1401億8100万人民元となり、増加率は前年の44.2％から縮小した。eスポーツゲームのユーザー数は0.3％増の4億8900万人。コロナ禍の影響で、eスポーツイベントの開催数が減少したことなどが響いた。


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