中国で「大学院（中国語で研究生）受験熱」が高まっている。大学院の受験者数は過去5年間で倍増。なかでも2022年度の全国受験者数は457万人に達し、過去最多を更新した。前年比で21.2％（85万人）増加している。毎日経済新聞が報じた。

　大学院受験者数の推移は、17年が201万人、18年が238万人、19年が290万人、20年が341万人、21年が377万人、22年が457万人と右肩上がりが続く。一方、受験者数の増加に対して、今年度の入学者数は110万7000人、合格率は24.2％にとどまる。不合格者が340万人に上り、引き続き狭き門となっている状況だ。

　「2022年考研調査報告」によれば、「大学院卒の資格は一貫して重要である」と考えている人は67％に達している。学歴重視、学歴追及の風潮が「大学院受験熱」の根底にあるようだ。また、厳しい就職事情も大学院受験に拍車をかけている。特に22年度は大学など高等教育機関の新卒者数が過去最多の1076万人に達するなど、就職圧力が一段と高まっている状況だ。新型コロナウイルス流行の影響が続くなかで、海外留学も難しいことから、国内の大学院入学は多くの現役学生にとって、もう一つの選択肢となっている。

　「大学院受験熱」を背景に、受験対策市場も拡大している。21年の市場規模は前年比28.1％増の60億9400万人民元（約1200億円）に膨らんだ。24年には100億人民元を突破するとの予測もある。


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