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  ニュース     2021/09/13 18:00

中国:7地域が賃上げガイドライン公表、上限ライン未設定多数 無料記事

 各地方政府が定める賃上げガイドラインに関し、今年は多くの地域が上限ラインの提示を中止している。経済の伸びが鈍化するなか、急ピッチな上昇を抑える狙いがありそうだ。江西省や陝西省、天津市、チベット自治区は公表を停止、山東省は今後提示しないと宣言している。中国政府系メディアが13日までに伝えた。
 各地方政府が発表した2021年賃上げガイドラインは、山西省が基準ライン8.0%、上限ライン12.0%、下限ライン4.0%、江西省が基準ライン8.0%、上限ライン提示せず、下限ライン3.0%、山東省が基準ライン7.0%、上限ライン提示停止、下限ライン提示停止、陝西省が基準ライン7.5%、上限ライン提示せず、下限ライン3.5%、天津市が基準ライン7.0%、上限ライン提示せず、下限ライン3.0%、チベット自治区が基準ライン7.0%、上限ライン提示せず、下限ライン3.0%、新疆ウイグル自治区が基準ライン5.0%、上限ライン6.5%、下限ライン1.5%。これらの7行政区画が今年の賃上げガイドラインを公表した。
 「社会福祉」と「共同富裕」を標榜する中央政府の政策を順守する動きは、今後も各地で広がるとみられる。吉林省当局はこのほど、21年の賃上げガイドライン案を公表。基準ライン6.0%、上限ライン8.0%、下限ライン3.5%に定める方針を示した。吉林省は社会福祉と共同富裕を優先すると説明。経済成長に応じた賃上げ率に抑える方向性を打ち出した。
 中国では賃金の伸びが鈍化しつつある。国家統計局によると、20年の賃金水準は、非私営企業・単位が前年比7.6%増の9万7379人民元(約165万9300円)、私営企業・単位が7.7%増の5万7727人民元に達した。ただ、物価上昇分を除いた実質の賃金上昇率はそれぞれ5.2%と5.3%に低下する。また、伸びは前年比でそれぞれ2.2ポイント、0.4ポイントずつ鈍化した。
 中国の賃上げガイドラインには、基準値と上限、下限の引き上げ率が設けられる。当年の経済発展目標に基づいて、各地方政府が企業に対して示す年間賃金上昇率の目安。実際の昇給額とその幅を決定する際には、個別企業の運営状況、マクロ経済の情勢などを踏まえて、合理的な水準に設定するよう求めている(法的拘束力は持たない)。


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