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  ニュース     2021/10/21 18:00

恒大集団など3社が取引再開、合生創展への資産売却白紙に 無料記事

 不動産デベロッパー大手の中国恒大集団(3333/HK)は20日引け後、傘下の不動産管理会社、恒大物業集団(6666/HK)の株式50.1%を同業の合生創展集団(754/HK)に売却する交渉が成立しなかったことを明らかにした。同計画は、恒大集団が資金繰り改善の一環として進めていたもの。3社は今月4日付で株式売買を停止していたが、21日午前9時(現地時間)から取引を再開する。

 恒大集団と合生創展によると、両社は今月1日付で契約を締結。恒大集団が合生創展に対し、恒大物業の株式50.1%を200億4000万香港ドル(約2945億円)で売却する予定だった。

 交渉不成立の理由について恒大集団は、香港証券先物委員会(SFC)以外からの情報に基づき、合生創展が買収の前提条件を満たしていないと判断したと説明。13日付で合意を解除する権利を行使したことを明らかにしている。一方の合生創展は、契約期日の12日までに、恒大集団が株式売却の手続きを終えなかったと指摘。恒大集団に対して13日付で契約履行を求める通知を送ったが、恒大集団から契約解除の通知を受け取ったと説明している。

 恒大集団はこれとは別に、資金繰り改善に向けた資産売却計画に大きな進展がないことを明らかにした。9月には盛京銀行(2066/HK)株の売却を表明したが、それ以外の進展はないと説明。今後も債務償還や利払いに努める方針だが、「財務上の義務を果たすことができるという保証はない」としている。

 恒大集団によると、同社が発行した米ドル建て債券は利払い期限が過ぎた後に30日間の猶予期間に入っている。9〜10月に利払い期限を迎える米ドル建て債券の猶予期間はまだ終わってない。

 恒大集団はさらに、足元の住宅販売状況についても説明。今年9月から現在までに、成約ベースの販売額は36億5000万人民元(サプライヤーや請負業者に対する債務と相殺する形で販売した分を含む)、販売面積は40万5000平米となった。年初来の累計では、販売額が4423億人民元、面積は5419万2000平米。


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