傘下の宝馬（中国）投資有限公司を通じ、独BMWが遼寧省国有資産監督管理委員会傘下の華晨汽車集団控股有限公司（Brilliance Auto）が保有する資産の一部を買収する。現地子会社の宝馬（中国）は、華晨汽車製造有限公司の全権益を買収する予定だ。2019年12月に瀋陽市で発足した華晨汽車製造は登録資本20億人民元（約358億円）となっている。国家市場監督管理総局独占禁止局（反トラスト局）が20日に報告した内容として、毎日経済新聞などが伝えた。

　経営不振に陥った華晨汽車集団の再建計画が練られている。今年8月の報道によると、宝馬（中国）など12社は、華晨汽車集団控股の第2回債権者集会に参加。宝馬（中国）は中国民族系ブランド「中華」の関連資産を16億3300万人民元で買収することなどに同意したという。

　遼寧省政府系の華晨汽車集団は2020年11月、瀋陽市中級人民法院から破産重整（日本の民事再生に相当）の開始を宣告された。足元で経営再建に取り組んでいる。同集団によると、再編は自主ブランドのみを対象に行われ、傘下上場企業や独BMW、仏ルノーとの合弁事業には影響しない。また、上場子会社の華晨中国汽車HD（ブリリアンス・チャイナ：1114/HK）は同月、「会社の事業は通常通り行われている」と説明している。

　華晨汽車集団は今年6月、管財人が受け取った届け出債権が総額543億100万人民元に上ったと報告した。届け出た債権者は5996社を数える。


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