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  ニュース     2021/09/21 18:00

中国:120万kW級の田湾原発7号機、ロシア技術導入で本体着工 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】江蘇省連雲港市の田湾原子力発電所(原発)で19日、7号機のタービン建屋が正式着工された。計画より1カ月早く進んでいる。タービンサイクル系統設備の国産化率は99.6%にまで高まった。同時に整備する8号機を合わせ、全面完工事の田湾原発の総容量は900万ロワット(kW)を超える。中国核工業集団公司(CNNC)からの情報として、中国新聞網が伝えた。
 1〜8号機の発電能力は、年間で合算700億キロワット時(kWh)を上回る。二酸化炭素(CO2)1534万トンの排出を省く計算だ。華東エリアの電力供給を増強する。
 中国は原子力発電所の設置を加速中だ。習近平・国家主席とロシアのプーチン大統領は今年5月19日、オンライン式典に参加し、2カ所合計4機の同時着工を宣言した。着工した電源開発プロジェクトは、江蘇省連雲港市の田湾原発7・8号機、遼寧省葫芦島市の徐大堡原発3・4号機。田湾原発と徐大堡原発には、ロシア・ロスアトム社の技術を導入してきた。国家安全保障で重要な事業となる。田湾7・8号機と徐大堡3・4号機には、第3世代+(プラス)の120万kWロシア型PER(VVER)を採用した。
 中国では1994年に第1号機(浙江省嘉興市海塩県秦山鎮の秦山原発1号機)が稼働。原発を含む非化石エネルギーについて、中国は2030年時点でエネルギー源全体の20%まで高める目標を掲げている。
 11年の東京電力福島第1原発事故後、中国政府は原発建設プロジェクトの審査・認可の一時凍結を宣言したものの15年末、沿岸部に限って原発建設計画を再開。広西防城港紅沙原子力発電所・「華竜1号」2期プロジェクト、江蘇連雲港田湾原子力発電所・拡充工事の2件を着工承認した。


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