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  ニュース     2021/10/26 18:00

中国:地方政府が「信用保障基金」相次ぎ設立、国営企業の信用補完 無料記事

 企業のデフォルトリスクを軽減するために、複数の中国地方政府が「社債投資基金」や「債務増信専項資金」(信用強化特別基金)を相次ぎ立ち上げている。山東省イ坊市政府はこのほど、機関投資家向けの説明会を開催。総額130億人民元(約2320億円)規模の社債投資基金と債務増信専項資金の設立準備を進めていると発表した。それぞれの規模は、80億人民元、50億人民元とする。21世紀経済報道が26日付で伝えた。
イ坊市の社債投資基金は、政府と市内大企業が共同で組成する。国営企業が発行した社債のデフォルトを防ぐ目的があると説明した。資金難に陥った企業の発行した社債の信用を補完する。
 債務増信専項資金は政府と銀行が資金を共同拠出。イ坊市が管理する国営企業が債務不履行に陥った場合、債権保有者にまず支払う。デフォルトと認定されることを避ける狙いがあると説明した。
 これらのファンドは、「信用保障基金」と呼ばれている。国営企業のデフォルトが頻発した2020年以降、各地方政府が相次ぎ発足させた。負債返済の圧力を軽減する目的がある。すでに河北省、河南省、広西チワン族自治区、天津市が組成済み。足元では、イ坊市と甘粛省蘭州市が準備中だ。
 中国では20年7月、中国国新控股有限責任公司と中央企業(国務院直属の国有企業)31社が「央企信用保障基金」を設立。1000億人民元規模で運用すると宣言した。まず100億人民元を募集している。
 これに続いて地方政府も、類似ファンドを相次ぎ創設した。河北省国有資産監督管理委員会は同年9月、100%出資の河北建設集団が「河北省国企信用保障有限公司」を設立。300億人民元の運用に乗り出した。登録資本1000万人民元の河北省国企信用保障有限公司は、信用管理コンサルタントサービス、企業評価サービス、信用調査サービスなどを手掛けている。


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