詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2022/05/19 18:00

中国:VIユニット「A-SOUL」、メンバー卒業で運営企業にも波紋 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】人気バーチャルアイドル(VI)ユニット「A-SOUL」のメンバー1人がこのほど離脱を表明し、ファンや関係者らに波紋が広がっている。この背景には、演者の待遇問題などが潜むとの指摘がみられた。同ユニットは北京字節跳動科技(バイトダンス)と北京楽華円娯文化伝播有限公司(楽華、YHエンターテインメント)が合同で運営しているが、香港での新規株式公開(IPO)を目指す楽華にとって懸念材料となりそうだ。成都商報などが18日付で伝えた。

 A-SOULは2020年11月から活動する5人組で、中国国内のVIでは最も集金力のあるグループだ。今回離脱を表明したのは「珈楽」(キャロル)と呼ばれるメンバー。VIとしては収入トップクラスで、21年11月だけで214万人民元を稼ぎ出す大型人気キャラクターに成長した。ビリビリ動画、「TikTok(ティックトック)」、微博のフォロワー数は200万人を超える。

 ネット上では理由について、演者の基本給が1万1000〜7000人民元(約20万9100〜13万3000円)程度とされること、「ファンからの投げ銭の取り分がわずか1%しかない」などの憶測が相次ぎ、批判が噴出した。さらにキャロルの演者本人とみられる微博アカウントに関しても、職場のいじめや性被害を告発する騒ぎになっている。

 これに対しA-SOULの公式微博(Weibo)は、離脱の理由を「身体的なことと学業」と発表。演者本人がすでに離脱の手続きを終え、今後演者の交代や新規メンバーの加入もないとしているほか、「いじめや搾取はなかった」との声明も通知したが、騒動は収まっていない。

 運営の楽華は、芸能マネジメント企業で、今年3月に香港メーンボードIPOを申請したばかり。目論見書によると、VI関連の売上高が20年の2108万人民元から21年の3787万人民元と79.6%増えるなど好調だ。しかしながら今回の騒動は懸念材料となる恐れがある。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース