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  ニュース     2023/04/24 11:40

BYDが「雲巴」香港投入に意欲、李長官も視察 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国の充電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD:1211/HK)は「雲巴(スカイシャトル)」を含む新エネルギー交通システムを香港に投入することを検討している。香港政府が検討する東九龍の「高架無軌道交通システム」建設プロジェクトをにらんだものだ。地元路線バスの九龍バス(KMB)がBYDと共同で、同プロジェクトへの入札を検討中との情報も伝わっている。香港紙・明報など複数メディアが23日伝えた。
 報道によると、広東省を視察中の李家超(ジョン・リー)香港行政長官は、深セン市のBYD本社を訪問。王伝福・董事長の付き添いの下、自動車生産拠点などを見学した。李長官はまた、雲巴にも乗車。その後、李長官は自身のSNSで、雲巴に乗車した感想について、「軽量軌道交通(LRT)の空中版のような感じ」と述べ、線路のスペースが少なくて済むため、狭い地形での利用も可能と指摘している。
 一方、東九龍プロジェクトに雲巴を導入するかどうか質問された際、李長官は「環境、財政、実現可能性など、さまざまな要素を考慮する必要がある」と回答した。李長官に随行した立法会(議会)議員団の田北辰氏も、政府は同プロジェクトを香港鉄路(MTR:66/HK)から切り離し、他の事業者にも機会を与えたいと考えていると説明している。ただ、田氏によれば、登坂技術を克服した企業はそれほど多くなく、李長官がBYDを視察したことは、同社が優位にあることを示唆している可能性があるという。
 BYDの雲巴は、小型LRT車両を用いた新たな交通システム。跨座式モノレール「雲軌(スカイレール)」と並行する形で自主開発したものだ。モーター駆動の雲巴は低騒音で安全性が高く、建設コスト、期間を抑えられるなどの長所を持つ。雲巴の1号線第1期プロジェクト(計11駅)は2022年12月、深セン市坪山区で運行を開始。第2期プロジェクトも進行している。


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