ニュース 2023/05/19 12:47
アリババは4Q黒転も増収率低下、中国消費回復に遅れ(詳報)
産業・企業
【亜州ビジネス編集部】中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が18日引け後に発表した第4四半期(2023年1〜3月)決算は、売上高が前年同期比2%増の2082億人民元(約4兆900億円)に伸びた。純損益は235億1600万人民元の黒字(希薄化後EPS:1.12人民元)。前年同期は162億4100万人民元の赤字だった。特殊要因を除く調整後の純損益(非GAAP)は273億7500万人民元の黒字で、前年同期から38%拡大している。
保有する上場企業株の含み益を計上したことが黒字化の主因。ただ、中国の消費回復の遅れを背景に、売上高は引き続き1ケタの伸びにとどまった。
部門別の売上高は、主力の中国コマース部門が3%減の1360億7300万人民元に縮小。うち中国小売事業は3%減の1320億6200万人民元に下向いている。新型コロナウイルス禍や春節(旧正月)要因により1月にオフライン店舗売り上げが減少したほか、アフターコロナ期には消費財の備蓄需要が縮小した。Eコマースサイト「淘宝網(タオバオ)」と「天猫(Tモール)」の総取引額(GMV)は1ケタ台半ばの減少を強いられている。
このほか、クラウドの売上高が2%減の185億8200万人民元と苦戦。1月のコロナ再流行で一部プロジェクトに遅れが出た。一方、物流サービスの菜鳥(ツァイニャオ)は18%増の136億1900万人民元、地元消費者サービスは17%増の125億4900万人民元を売り上げている。うち地元消費者サービス部門では、フードデリバリー「餓了麼(ウーラマ)」の注文数、客単価が上昇した。
23年3月通期の業績は、売上高が前年同期比2%増の8686億8700万人民元、純利益が17%増の725億900万人民元(希薄化後EPS:3.43人民元)だった。
香港メディアの明報(19日付)によると、張勇・主席兼CEO(最高経営責任者)は決算説明会で「中国の消費は徐々に回復しているが、消費者の信頼感と消費力にはまだ勢いが足りない」とコメント。また、プラットフォーム間の競争は激しく、質の高いユーザーを確保し、消費者に差別化されたサービスを提供することが今後の発展のカギになると指摘した。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
保有する上場企業株の含み益を計上したことが黒字化の主因。ただ、中国の消費回復の遅れを背景に、売上高は引き続き1ケタの伸びにとどまった。
部門別の売上高は、主力の中国コマース部門が3%減の1360億7300万人民元に縮小。うち中国小売事業は3%減の1320億6200万人民元に下向いている。新型コロナウイルス禍や春節(旧正月)要因により1月にオフライン店舗売り上げが減少したほか、アフターコロナ期には消費財の備蓄需要が縮小した。Eコマースサイト「淘宝網(タオバオ)」と「天猫(Tモール)」の総取引額(GMV)は1ケタ台半ばの減少を強いられている。
このほか、クラウドの売上高が2%減の185億8200万人民元と苦戦。1月のコロナ再流行で一部プロジェクトに遅れが出た。一方、物流サービスの菜鳥(ツァイニャオ)は18%増の136億1900万人民元、地元消費者サービスは17%増の125億4900万人民元を売り上げている。うち地元消費者サービス部門では、フードデリバリー「餓了麼(ウーラマ)」の注文数、客単価が上昇した。
23年3月通期の業績は、売上高が前年同期比2%増の8686億8700万人民元、純利益が17%増の725億900万人民元(希薄化後EPS:3.43人民元)だった。
香港メディアの明報(19日付)によると、張勇・主席兼CEO(最高経営責任者)は決算説明会で「中国の消費は徐々に回復しているが、消費者の信頼感と消費力にはまだ勢いが足りない」とコメント。また、プラットフォーム間の競争は激しく、質の高いユーザーを確保し、消費者に差別化されたサービスを提供することが今後の発展のカギになると指摘した。
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