【亜州ビジネス編集部】MEMS（微小電気機械システム）チップを主力とする北京賽微電子（SMEI：300456/SZ）は11月30日、傘下の賽莱克斯微系統科技（北京）有限公司に生産を任せた「においセンサー（臭気測定器）」について、顧客の品質認証を得たと発表した。8インチのシリコンウェーハで少量の試験生産に乗り出したという。DRAMエクスチェンジが伝えた。
　自動車製品、家電、送風システム、屋内環境などのにおい測定を可能とする。賽微電子と武漢敏声新技術有限公司は、生産ラインを共同で整備中。2023年第2四半期の量産開始を想定する。
　2008年5月に発足した賽微電子は、16年にMEMSチップ受託生産のスウェーデン企業、サイレックス・マイクロシステムズを買収した。同年11月に北京経済技術開発区で8インチウェーハ対応工場のFAB3を着工し、サイレックスの成熟した製造技術と管理モデルを導入した。
　賽微電子をめぐっては、車載半導体工場買収がドイツ政府によって阻止された経緯がある。ドイツ連邦経済エネルギー省は今年11月9日、独エルモス・セミコンダクターの車載半導体工場「FAB5」に関し、賽微電子傘下のサイレックスに売却することを承認しないとの声明を発表した。「ドイツの公共秩序と安全を危険にさらす可能性がある」と説明している。
　賽微電子は21年12月、車載半導体工場と関連施設をサイレックスを通じて8450万ユーロ（約120億1000万円）で買収することでエルモスと契約。賽微電子にとって初の車載電子分野への進出となる予定だった。


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