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  ニュース     2022/08/18 18:00

中国:四川省の電力不足、構造的要因も影響 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国最大規模の水力発電能力を擁するにもかかわらず、四川省の電力需給は足元でひっ迫している。これについて18日付の香港経済日報は、足元の高温・干ばつといった直接的な要因だけでなく、水力発電への依存度の高さ、国家プロジェクト「西電東送」(西部の電力を東部に送るプロジェクト)といった構造的要因も影響していると指摘した。
 四川省当局は民生用電力の供給を優先するため、大部分の都市の工業企業を対象に8月15〜20日の稼働停止を求めた。さらに達州市の電力会社、四川達州電力集団は17日、電力ひっ迫を解消できない場合、住宅やオフィスなどで数時間ごとに交代で停電を実施する方針を表明している。
 国家電網四川電力調控中心の周剣氏によると、四川省の電力供給の80%は水力発電によるもの。中国の水力発電量に占める四川省の比率は21.2%に達し、総設備容量は8887万キロワット(kW)と国内首位だ。四川省は今年、60年ぶりの高温・干ばつが続き、主要河川の水不足が深刻化。省内の水力発電能力は5割以上の落ち込みを見せているという。
 同時に、四川省は「西電東送」の重要な出力地で、その電力は一定比率で省外にも供給されている。四川省内で優先的に消費し、外部には余剰電力を供給するということはできないのが現状だ。国家電網四川電力公司のデータによると、2022年6月までに、四川省から1兆3500億キロワット時(kWh)の電力が華東、西北、華北、華中、重慶、チベットなどに送電された。
 国家電網の辛保安・董事長は、四川省や重慶市への電力供給を最大限に支援するため、地域や省を越えた余剰電力の供給を行うよう提案している。


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